小論文は、論理的な文章です。
もちろん、文章それ自体が、論理的でなければなりません。
筋が通っていなくては、駄目です。
そのうえ、自分の意見が、十分な「論拠」のもとに提出されたもので
なくてはなりません。
「論拠」には、次のようなものがあります。
(1)事実的論拠
(2)歴史的論拠
歴史は、「事実」であると同時に、人間が編み上げた「物語」です。
つまり、書き換え可能なのです。
(3)理念的論拠
「理念」は、「事実」ではありません。
しかし、「人類平和」という理念は、立派な「論拠」になることがあります。
(4)通念的論拠
「通念」とは、誰もが自明と思っていることです。
「子供を養う」「労働を尊ぶ」というような命題です。
(5)教義的論拠
「教義」とは、それを信奉している人たちにとって「真(H信)」であるようなものです。
「キリストは復活した」という命題です。
(6)一般的論拠
「一般的」とは、「抽象的」ですが、「普遍的」に妥当するということです。
「人類は生誕した」、あるいは、「人類は死滅する」という、確認はできないが、反論しがたい命題が、そうです。
「論拠」でもっとも重要なのは、書き手が、どの種類の「論拠」に依拠して、自分は書いているのか、をはっきりと自覚していることです。高橋ナツコ氏によると、「事実」と「教義」とを混同してはなりません。もっとも、「事実」といっても、「1+2113」というような、「科学・技術的事実」と、TV番組の「視聴率」や「統計的事実」とは、性格を異にします。
あるいは、「私は鷲田小彌太である」というような「持続的事実」と、「私は、××年に、落第した」というような「一回的事実」を、区別する必要があります。
「事実」といっても、「不動」のものもあれば、「一回」かぎりのものもあり、「客観」的なものもあれば、「主観」的・「任意」的なものもあるのです。